2010年03月06日

カード詐欺団「日本担当」逮捕、被害5億円か(読売新聞)

 東京都内に拠点を置く偽造クレジットカード詐欺グループを監督していたとして、埼玉県警は4日、中国人の男を詐欺容疑などで逮捕した。

 グループは偽造カードで高額な家電製品を多数購入し、3か月で1億2000万円の詐欺被害を出していたことが判明。男は、グループと中国福建省の国際偽造カード詐欺組織をつなぐ「日本担当マネジャー」だった疑いが強く、県警はカード偽造工場を摘発した警視庁や大阪府警とも協力し、組織の実態解明を進める。

 逮捕されたのは、中国籍の東京都荒川区西日暮里、劉忠鋒容疑者(24)。捜査関係者によると、劉容疑者は購入役の日本人らと共謀し、昨年5月、千葉市花見川区の家電量販店で他人名義の偽造カードを使い、パソコンなど11点(約80万円相当)をだまし取った疑い。

 県警はこれまでに、劉容疑者が監督していたとみられる詐欺グループを摘発し、中国人3人と日本人10人の計13人を逮捕。被害は昨春3か月だけで、埼玉、愛知、兵庫など12都府県で1億2000万円確認された。県警はカード使用履歴などから、最終的な被害総額は5億円近くとみている。

 供述などから、購入商品や対象店舗などを決めていたのは、福建省を拠点とする組織幹部の通称「老板(ラオパン)」(ボス)。劉容疑者は「社長」役の東京都足立区、無職中里良平被告(44)(詐欺罪などで起訴)に老板らの命令を伝えていたとみられる。組織は日本以外の国にもグループを置いていた疑いが強いという。

 中里被告のグループは08年春頃から09年夏頃まで活動し、メンバーには肩書がついていた。日本人は、商品を購入する「買い子」、統括役の「管理職」、レンタカーで送迎する「番頭」、闇サイトなどで買い子を募る「求人係」を担当。

 中国人は、偽造カード工場からカードを運び、店で買い子を見張る「運搬・監視役」や、商品を転売する「換金役」を担っていた。換金額の8割は中国人側が手にしていたという。

 埼玉県警は、詐欺罪より刑罰が重い組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)にあたると判断。まず中里被告ら8人について、4日にも同法違反容疑で追送検する。

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2010年03月02日

「ジパング」最終巻刊行 漫画家、かわぐちかいじさんに聞く(産経新聞)

 ■9年半費やし、日本人論問う

 第二次大戦中にタイムスリップした海上自衛隊のイージス艦乗組員らを主人公に歴史の検証を試みた異色漫画「ジパング」の最終巻が刊行された。9年半、全43巻に及ぶ長期連載に挑んだ漫画家、かわぐちかいじさんは「連載開始当初はこんなに長く描くとは想像しなかった」と振り返る。ターニングポイントとなる一作と認めながらも「日本人とは何か? 漫画家として抱くテーマを、まだ描き切れたとは思っていない」と語り、すでに次作の構想を膨らませている。

 本格軍事漫画を描く第一人者。日本初の原子力潜水艦「やまと」が日本から独立を宣言、国連に世界政府の創設と恒久平和の実現を突きつける「沈黙の艦隊」(昭和63〜平成8年、週刊モーニングで連載)は、その圧倒的なリアリティーさが当時、国会で取り上げられたほど注目を集めた。その背景を、「この物語の舞台は近未来。架空の時代を描くなかで、第二次大戦という現実の歴史を描きたい衝動が募りまして…」と明かす。そして生み出されたのが「ジパング」だ。

 ≪洋上で演習中の海自イージス艦「みらい」が落雷を受け、タイムスリップ…。そこはミッドウェー海戦直前、昭和17年6月の太平洋上だった≫

 「60年前の歴史を描き、果たして今の若い読者が興味を持ってくれるだろうか? 現代との接点が必要ではないか。ならば今の兵器、戦力をそのまま当時に持って行けば…。そうして思いついたのが“イージス艦のタイムスリップ”というアイデアだったんです」

 山本五十六、石原莞爾ら日本軍人はじめ、ヒトラーや毛沢東、ルーズベルトなど世界の要人が次々と登場。壮大な戦史シミュレーションを展開していく。「海自隊員らが山本五十六らと出会う場面などは私自身が彼らと出会い、会話を交わしているような気分で、描いていて本当に楽しかった」という。

 いかなる戦争への加担も拒否、敗戦の歴史を受け入れる海自の角松副長に対し、歴史を変えようと行動する日本海軍の草加少佐。異なる2人の視点が、現在、そして未来の日本の防衛の在り方を問いかける。「戦後、経済発展など日本が得たものは少なくない。が、その代償として日本人は誇りを失ったかもしれない。どちらが正しいのか。読者にじっくりと考えてほしいですね」 (戸津井康之)

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